サスティナビリティ
当社では、従来から原材料の安定調達および環境保全や化学物質管理などグリーン調達を実施し、製品の安全性や品質などに配慮した安定供給に努めてきました。昨今、地球環境への配慮、人権や労働環境の保護など社会的要請が強まるなか、サプライチェーン全体で持続可能な社会の実現を目指す調達活動をより一層推進するため、当社グループの持続可能な調達方針を策定しました。
●当社グループは、調達活動にあたり、各国・地域の法令・社会規範を遵守するとともに、環境、文化および慣習等を尊重します。
ロジンの持続可能な調達
当社グループは、グローバルなロジン製品の需要に応えながら、調達先の多様化による環境および社会リスクなどの重要課題にも取り組んでいます。
サプライチェーン全体で持続可能な社会の実現を目指すため、人権や労働環境、紛争鉱物など社会的課題に応え、地球環境に配慮した調達活動を推進するには、お取引先とともに連携協力し取り組んでいくことが重要であると考えており、「持続可能な調達ガイドライン」にまとめています。 本ガイドラインは、コーポレート・ガバナンス、人権と労働、環境、品質と安全性、地域社会との関わりの5つの観点で具体的な行動指針を示しています。持続可能な調達方針とともに本ガイドラインを当社ホームページに掲載し、お取引先へのサプライヤーCSR調査時に周知を図り、ご理解を頂き、各行動指針に基づいた取り組みをお願いしています。
1.コーポレート・ガバナンス
・地球環境と社会の持続的な未来に貢献する取り組みを推進するための体制を整備および実行するとともに、取引先に対しても持続可能な調達の意義を周知し、サプライチェーン全体への浸透を図る。
・法令を遵守し、社会規範に従うとともに、第三者の知的財産(特許権、著作権、商標権など)の尊重および侵害防止、取引を通じて知り得た秘密情報、個人情報は適切に管理・保護、不正競争の防止、贈賄行為などの腐敗防止、紛争鉱物の調達や犯罪等に関与しないようにサプライチェーンの透明性を確保し、公正かつ適正な取引を行う。
・災害・事故等による重要な事業活動への悪影響を最小限に留めるための事業継続計画を策定あるいは早期復旧の体制を整える。
・社会やステークホルダーへの説明責任を認識し、社内外に向けて透明性を確保し、財務情報および非財務情報を適切に発信する。
2.人権と労働
・サプライチェーン全体における人権を尊重し、保護する。
・強制労働や児童労働など非人道的な労働の禁止・廃止、雇用および職業における差別を排除し、人種、民族、国籍、言語、性別、年齢、障がい、価値観、文化、宗教、性格、経験、性的指向、性自認、健康、家族、社会的地位、学歴、職歴等のあらゆる差別を行わない。
・自らの事業活動を通じて直接的・間接的にも人権侵害につながる影響を及ぼさないよう、発生を未然に防止または影響を軽減するように努める。
・個性の異なる多様な人財が尊重され、「アンコンシャス・ バイアスの排除」、「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」、「あらゆるハラスメントの防止」など人権の意識が醸成されるよう努める。
3.環境
・提供する製品の開発から廃棄に至るまで、安全を最優先し、環境、健康をまもり、地球環境と調和する事業活動を行う。
・環境および保安に関する法令を遵守し、CO₂排出量の削減、省資源・省エネルギー、産業廃棄物の削減、化学物質の適正管理、生物多様性の保全を推進し、自主的な目標を設定し、環境への負荷を低減する。
4.品質と安全性
・各国の法規制と社会の要求に適合し、事前に要求された品質基準を満たし、信頼と満足が得られる製品・サービスを提供する
・製品・サービスに関する事故が発生した場合や不良品が流通した場合に、迅速な情報開示、所轄当局への連絡、製品回収を行い、供給先への安全対策等の体制を整備する。
5.地域社会との関わり
・事業活動を⾏う各国・地域の法令・社会規範を遵守するとともに、環境、文化および慣習等を尊重し、地域社会の持続可能な発展に貢献する活動に努める。
サプライヤーCSR調査結果
サプライヤーCSRアンケートは当社からの5つの観点に対する要求事項をどの程度満たしているかを数値化しています。要求事項に満たない項目がある場合は、必要に応じて改善を促すように取り組んでおります。
2024年度はお取引先全体の約50%からアンケート回答を得ました。当社の取引先様の一部で環境面において比較的弱い部分も見受けられましたが、全体的には評価ポイントが高い水準の結果でした。希少原料や紛争鉱物などリスクの高い国からの輸入原料に関わるリスクの高いお取引先は現時点でありませんが、課題があるお取引先については、対話を中心にフォローを実施してまいります。これらの活動を継続することで、より健全で持続可能なサプライチェーンを構築すべく、取引先との信頼関係を保ちながら公正な調達を行う体制を維持していきます。
注)全34設問の回答(5点満点)を評価項目ごとに平均し、100点満点で表示
持続可能な調達方針
また、取引を通じて知り得た秘密情報、個人情報は適切に管理・保護します。
●当社グループは、すべての取引先に対して調達に関する情報を適時・適切に発信する等、公正な取引機会を提供するとともに、
連携協力体制および信頼関係の構築に取り組みます。
●当社グループは、品質、価格、納期や安定供給だけでなく、技術力、提案力および経営の安定性を総合的に勘案し、調達活動をおこないます。
●当社グループは、持続可能な社会の実現を目指すため、サプライチェーンを通じて人権や労働環境、紛争鉱物など社会的課題に応え、
地球環境に配慮した調達活動に取り組みます。
バリューチェーン全体で持続可能性を具体化しながらも、特にガムロジンの持続可能な調達に注力しています。
ロジンは再生可能な資源であり、世界で松やにを採脂する人々の生計を支えており、印刷インキ用樹脂や製紙用サイズ剤、粘着・接着剤用樹脂など幅広い用途で使用されています。ロジンの調達においては、松資源の持続性確保や強制労働・児童労働のリスクを排除するため、中国や南米、東南アジアなどの調達地への現地視察をおこなうなど、松やにおよびロジンのサプライチェーンのトレーサビリティと透明性向上に向けた取り組みも推進しています。
当社グループの人権に関する方針はこちら
持続可能な調達ガイドライン