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「エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術」シンポジウムで「研究奨励賞」受賞
2009年2月18日
平成21年1月29日、30日に開催された第15回「エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術」シンポジウム(主催:社団法人 溶接学会 マイクロ接合研究委員会)におきまして、当社 機能材料事業部の久保 夏希が、「ロジンと鉛フリーハンダ用金属との反応の時間・温度依存性」と題する論文を発表し、「研究奨励賞」を受賞致しました。
【受賞について】
機能材料事業部
久保 夏希
荒川化学グループは、第2次中期5ヵ年経営計画(平成20年4月~平成25年3月)において「伸長事業の拡大」を基本方針の一つとして掲げております。機能材料事業は、当社が育んできた伸長事業の一つであり、さらなる発展を目指して鉛フリーはんだの開発や次世代はんだ技術の開発に積極的に取り組んでおります。
「エレクトロニクスにおけるマイクロ接合・実装技術」シンポジウムは、はんだ付けを含む最新のエレクトロニクス実装に関する材料・生産・評価技術が発表される、国内で非常に権威のある学会であります。この度、当社が発表しました論文が、今後のはんだ研究の発展に大きく寄与し、社会的貢献が大であると評価され、「研究奨励賞」を受賞致しました。
本研究はフラックスの活性作用に関してこれまでほとんど報告例がない中で、ロジンとはんだ金属との反応を定量的に示し、ロジンの活性作用と酸性度(酸価)と分子構造の関係を明確化しました。この研究によりフラックスの活性作用解明が大きく進展すると期待され今回の受賞に至っております。
【受賞論文の概要】
ロジンは耐熱性、粘着性、はんだ金属の再酸化防止作用といった作用だけでなく、分子内にカルボキシル基を有しているため、はんだに用いられる金属との酸化還元反応により金属酸化物を除去する働きがある。このためフラックスのベース樹脂、兼活性剤として長年広く一般的に用いられてきた。しかし、ロジンと鉛フリーはんだ用金属(Sn、Cu、Ag、etc)単体または、これらの金属酸化物との反応の詳細については必ずしも明らかとはいえない。そこで本研究では、はんだ用フラックスのベース樹脂として使用頻度の高いロジンと鉛フリーはんだ用金属との反応についてその時間・温度依存性を検討し、ロジンの分子構造及び酸性度とその活性作用について議論した。
【Abstract】
Reactivity of rosins, which have different molecular structures and acid values, was investigated. Three types of rosins (an aclyrated rosin, a hydrogenated rosin and a disproportionated rosin) were annealed with CuO, SnO and Sn3Ag0.5Cu powder at 170-240℃ for up to 1800sec. All rosin exhibited reaction with CuO to form Cu-resinate at 200℃. An aclyrated rosin exhibited inferior reactivity comparing to other rosins, while only a disproportionated rosin reacted with SnO and Sn3Ag0.5Cu powder. A simplified pseudo-second order kinetic model can be applied to the reaction of all rosin with CuO at 200℃. The reaction rate constant for an acrylated rosin, a hydrogenated rosin and a disproportionated rosin, was estimated to be 3.92×10-4, 3.55×10-4, and 5.01×10-4 L mol-1 s-1, respectively. The difference in reactivity can be attributed to specific molecular structures in the vicinity of carboxyl group rather than acid value of the rosin derivatives.
【本件に関する問い合わせ先】
(大阪) 06-6209-8617 (東京) 03-5645-7804
E-mail info@arakawachem.co.jp
機能材料事業部 電子部材HPへ
以 上