荒川化学の事業
新規事業の取り組み
人と自然素材を「つなぐ」ことを目指し、
ライフサイエンス事業の創出に取り組んでおります
ライフサイエンスへ事業領域の拡大を図るため、微細藻や松由来成分の活用など様々な探索活動を進めております。
微細藻類ビジネスでライフサイエンス分野へ!
沖縄本島の汽水域で採取した微細藻オーランチオキトリウムの独自株および培養技術を有するSoPros株式会社へ資本参加し、協業を進めております。
SoPros社の菌株は、ユニークな特長を有する不飽和脂肪酸DPA(ドコサペンタエン酸)やDHAを豊富に含んでおりますが、人間や魚類などはDHA(ドコサヘキサエン酸)等を体内で生産することができず、オーランチオキトリウムのような藻類から食物連鎖を通じて摂取しております。健康に関するニーズが年々高まるなか、食品やサプリメントなどへの展開も視野に当社の化学プロセス技術とのシナジーにより、効率的な生産(培養)の検討に取り組み、ヘルスケア事業を展開してまいります。
SoPros株式会社のホームページはこちらから
さらには、微細藻Galdieria を手掛けている株式会社ガルデリアとの間で資本業務提携を2025年2月におこないました。Galdieriaは高温、高酸性、高濃度CO2、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)存在下といった過酷な環境でも生育することができ、光があれば光合成し、光がなくても栄養源があれば生育します。極限環境下で生き残る中で身につけた貴金属吸着能力等を活用し、都市鉱山での安全かつ高効率な貴金属リサイクル、天然鉱山で未だに使われている水銀の代替、良質な内容成分の食品応用、光合成培養などによるCO₂削減を通じて、循環経済の実現、地球環境の改善、食糧問題の解決への貢献を目指しております。
株式会社ガルデリアのホームページはこちらから
松由来成分のさらなる活用を目指して!
当社グループの象徴的な根幹原料であるロジン。松由来の樹脂分であるロジンの活用はもとより松という大きな枠組みで捉えなおし、その可能性を追求しながら取り組んでおります。具体的には農業資材として野菜や果物などの生育を促進するバイオスティミュラントの開発・商品化や特定の菌に対する抗菌性に加えて、浴室や台所などでぬめりの原因となるバイオフィルム(菌のかたまり)の抑制効果を活かした抗菌・抗バイオフィルム用途などの事業展開を模索しており、松由来の素材であることで消費者の安心感や環境負荷の低減などの利点も訴求し、今後も人と自然素材をつないでいく取り組みを強化してまいります。
ロジン・バイオスティミュラントの効果(写真:右)
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