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厦門荒川化学工業の設備増強について

2000年3月 1日

 製紙用薬品、印刷インキ・塗料用樹脂ならびに粘着・接着用樹脂などロジン誘導体メーカーである荒川化学工業(大阪市中央区平野町1-3-7、社長 石部修平)は、関係会社である厦門荒川化学工業有限公司(中国福建省)に生産能力3,000 トンの印刷インキ用樹脂設備を新設する。投資金額は1百万ドルで、2000年10月の稼動を予定、2年後には売上高約4億円の増加を見込んでいる。

 荒川化学は2000年4月から「拡充期」と位置づけた3期目の中期経営計画をスタートさせるが、本計画では「新事業の開発」、「既存製品の強化」、「管理体制のレベルアップ」、「関係会社の基盤強化」 の4つの基本方針を掲げ、各方針ごとに重点施策を実施していく。

 特に海外においては、既存の製・販拠点の充実を目指し、中国・東南アジア地域におけるマーケットの状況に応じて順次拡大を図る予定であり、今回の厦門荒川の設備新設は、その一環として具体化されるもの。

 中国は改革解放の進展に伴い、印刷インキ本来の用途である書籍、新聞、プラスチック、有価証券、金属印刷などの用途以外にも電子、防衛、宇宙工業などへ広がりを見せ、国際レベルでの競争力も高くなってきていることを背景に需要が順調に推移し、この3年間('96年~'98年)で生産量が23%の伸びを示しており、今後も需要拡大が期待されている。

 同国における印刷インキ工業の分野別構成は、平版印刷インキ60%、凹版印刷インキ20%、その他凸版印刷インキ、助剤、補助剤など合計で20%。

 厦門荒川化学は、1967年に台湾に設立した台湾荒川化学工業股フン有限公司(荒川化学60%出資)の現地顧客が中国市場に進出するに伴い、台湾から中国への輸出が拡大してきており、より顧客密着型とするため、1996年に荒川化学が60%、台湾荒川化学のパ-トナ-が40%出資して設立した香港荒川化学有限公司が100%出資して設立、これまでロジン系接着剤用樹脂、塗料用樹脂など約3,000トン/年の生産を行っている。

 荒川化学は創業123年を誇り、ロジン誘導体メ-カ-としては世界最大手の一つで、中国ガムロジンの最大の消費を行っており、 日本国内では製紙用薬品、印刷インキ・塗料用樹脂、粘・接着剤用樹脂、合成ゴム用重合用乳化剤など各種ロジン誘導体を製造販売している。これまでにも、同社は東南アジアにおける製紙用薬品、塗料用樹脂のロジン系粘・接着剤用樹脂の需要が拡大しているのに伴い、蓄積された技術ノウハウを生かした展開を目指し、既に中国やタイに進出し、梧州荒川化学工業有限公司、荒川ケミカルタイランド(工場建設中)などの生産拠点を有している。

以 上