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第4回オゾン層保護大賞「優秀賞」受賞
2001年9月13日
荒川化学工業は平成13年9月13日、日刊工業新聞社主催、経済産業省、環境省の後援による「第4回オゾン層保護大賞」優秀賞を受賞致しました。
1.受賞の趣旨
オゾン層保護対策に貢献した産業界、その他の団体、企業、個人を対象に、1998年に日刊工業新聞主催、通産省・環境庁(当時)後援による「オゾン層保護大賞」が創設されました。第4回の今年度、荒川化学工業が取り組んできた①オゾン層破壊物質の削減に関する技術開発②オゾン層保護対策の推進のための普及啓発やその他寄与する取り組み③発展途上国のオゾン層破壊物質の削減への協力、の諸活動が評価され、優秀賞を受賞しました。
2.内容
①オゾン層破壊物質の削減に関する技術開発について
1989年当時、日本ではオゾン層破壊物質(ODS)の大半が洗浄用途で消費されていました。その大半が金属加工部品用で、それに次ぐ用途としてエレクトロニクス分野におけるはんだ付け後のフラックス洗浄でした。金属加工部品用については、その目的が単純な脱脂洗浄であり、比較的スムーズに炭化水素系溶剤の洗浄に切り替わりましたが、フラックス洗浄は、電子回路基板や電子部品の長期にわたる信頼性の確保が不可欠で、加えて被洗浄物を構成するプラスチックや金属、型番表示インクなどを侵さない性質が要求されなど課題が多く、高度の技術開発が必要でした。
フラックス洗浄による除去対象物質は、松脂を精製して得られるロジンが主成分であったことから、国内最大のロジン誘導体メーカーである荒川化学が長年蓄積したロジン化学の粋を結集して非危険物型洗浄剤を開発しました。さらにニーズを先取りした代替洗浄剤用の洗浄装置や周辺機器をセットにした洗浄システムや密集した小物部品の一括洗浄や乾燥を可能とする直通式洗浄装置などトータル洗浄システムの代替技術を確立したことが評価されました。
②オゾン層保護対策の推進のための普及啓発やその他寄与する取り組みについて
オゾン層破壊物質の削減計画は1990年、1992年の相次ぐ改正で大幅に前倒しされ、特定フロン化学物質(CFC-113、1,1,1-トリクロロエタン)が1995年末に全廃と決定しました。当時、オゾン破壊物質の全廃には洗浄分野の代替が急務であり、通産省オゾン層保護対策室と洗浄分野に関わる企業からなるオゾン層対策協議会が代替の推進ならびに啓蒙活動を行っていました。
一方、洗浄分野における洗浄工程には洗浄剤、洗浄装置、周辺装置が必要で、日本国内の中小企業が大きなウエイトを占めており、中小企業での円滑な代替促進を進めていく上でこれらの業界の結集が求められ、通産省やオゾン層対策協議会の支援を得て日本産業洗浄協議会が発足しました。
日本産業洗浄協議会は代替洗浄技術の向上を図るとともに、中小企業事業団などに協力して啓蒙活動や技術指導を行う活動を通じて、当初危ぶまれた1995年全廃に貢献、それ以降もオゾン層保護対策および地球温暖化対策のために、代替フロンの全廃の活動を継続中です。
荒川化学工業は、日本産業洗浄協議会発足時に発起人として尽力し、その後1994年~1997年まで副会長を務め、企画副委員として当協議会の運営に当たるなど、その活動を直接支援しました。その他、当協議会が主催する技術フォーラムや中小企業事業団および地方工業会での代替技術講演会、あるいは現場指導の支援活動にも積極的に講師や指導員を派遣をおこないました。
③発展途上国のオゾン層破壊物質の削減への協力について
オゾン層保護対策協議会や日本産業洗浄協議会が中心になって発展途上国の洗浄現場におけるオゾン層破壊物質削減と全廃に向けての指導、啓蒙活動を実施しました。荒川化学工業はこれらの組織的活動においてタイ、韓国、中国等での講演会に講師を派遣、あるいは代替洗浄技術支援のために指導員を派遣するなど、積極的な支援を行いました。
以 上